ニートやフリーターの原因は親なのか?
ニートやフリーターからの脱出を考え始めた矢先、親兄弟が社会復帰を邪魔してきて困るという話をよく聞きます。
今回は、ニートやフリーターになってしまう子供と両親との関係から、社会復帰を安全に始める方法について紹介します。
ニートやフリーターになってしまう原因は親にある?
毎年、日本では約60万人近い若者がニートやフリーター状態にあるというデータがあります。
ニートやフリーターは誰にでもなる可能性があり、もはや珍しいものではなくなってきています。
ニートやフリーターになる原因は人それぞれで、親子関係に問題がある人もいれば、それ以外の健康面・価値観・生き方・状況に問題がある人もいます。
原因はいろんなところにありますが、ニートやフリーターから脱出するときに家族の影響が強く出るのも事実です。
やはり同じニートやフリーターでも、家族が協力的な家庭はニートやフリーターからの社会復帰も割と早く進んでいきます。
重要なのは、家族が何をするかではなく、きちんとした理解を持てるかどうかです。ニートやフリーターと親子関係を詳しく見ていきましょう。
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ニートやフリーターの邪魔をする親の特徴とは?
誰だって『良い親』でいたいものです。ですが、知らない間に子どもの邪魔をしてしまっている親御さんも割とたくさんいます。
まずは、ニートやフリーターのなかでも「親に邪魔をされた」と感じた人によくある、親の特徴を見ていきましょう。
暴言や暴力を振るう
ニートやフリーターになってしまったことを怒って、暴言や暴力を振るう親御さんもいます。
責任はすべて本人だけにあるように振る舞い、責め立てるタイプです。
本人が社会復帰に向けて動き出したとしても、「そんな仕事はダメだ」「お前になんかできっこない」と頭から否定していきます。
無関心で何も言わない
ニートやフリーターになった事実を認めたくないためか、ニートやフリーターになった子どもに対してひたすら無関心を突き通す親御さんもいます。
遠くからそっと見守るタイプならいいのですが、まるで存在がそこにないかのように振る舞うので、本人の存在価値を傷つけます。
甘やかしてしまう
ニートやフリーターになって傷ついた我が子を見て、過剰に甘やかしてしまう親御さんもいます。
「これ以上傷ついて欲しくない」という気持ちはわかるのですが、本人が勇気を出して動き出したときにも、過剰に心配して行動にストップをかけてしまいます。
まるで幼児のように手取り足取り世話を焼かれると、社会に飛び出していく気力がなくなり、引きこもりなどの長期的なニートやフリーターになるパターンもよくあります。
捨てられる・失踪する
過激なパターンになると、家族であっても捨てられてしまう、あるいは親が失踪してしまうというパターンもあります。
こうなると、精神的な問題だけでなく、生活環境の問題もなるので行政の力を借りることになってしまいます。
ニートやフリーターは親が死んだらどうなる?
親子関係をできるだけ修復して欲しい理由には、このままニートやフリーターを続けてしまったときの末路が心配されるからです。
最近、『高齢ニートやフリーター』と呼ばれる35歳以上になってもニートやフリーター状態が続いてしまう人が増えています。
高齢ニートやフリーターになると、親の扶養に入って年金や少ない収入を当てに暮らしていくことになります。
親が年齢を重ねていけば、親の介護をすることにもなるかもしれません。そうなれば、暮らしはさらに苦しくなります。
さらに、親の死後は親の遺産や生活保護などを受けて生きていくことになります。
生活保護はやむを得ない理由で仕事ができない人を国全体で支えていこうという立派な制度です。
働ける機会があったのに働かないままニートやフリーターになって、生活保護を受ける場合は罪悪感も強くなります。
このままニートやフリーターを続けてしまう末路はつらいものです。本人だけの問題と考えるのではなく、この機会に家族できちんと向き合っていく必要があるでしょう。
親がニートやフリーターに正しい対応をする方法
では具体的に、親や家族がニートやフリーターに対して正しい対応をしていく方法を紹介します。
第三者の専門家に相談する
家族間で話し合って解決するのならいいのですが、たいていの場合はお互いの感情が入ってこじれてしまいます。
そんなときはまず、ニートやフリーターの社会復帰を助けてくれる第三者の専門家に相談してみましょう。
おすすめは、『就職エージェント』や『地域若者サポートステーション』の利用です。
就職エージェントでは、個人の事情に合った就職活動の方法や条件に合った求人の紹介、面接対策などの就活に必要なトータルサポートが受けられます。
地域若者サポートステーションでは、個別カウンセリングやグループワークなどで社会に出て行くための力を育ててくれます。
どちらもすべてサポートは無料で受けられます。電話のみの相談も受け付けていますよ。
地域若者サポートステーションは家族のみの相談も受け付けているので、本人に通う意思がないときは親御さんだけでも相談してみるのがいいでしょう。
本人のペースがあることを知る
第三者の専門家に相談すると、お子さんが今どういう状況にあるのか、これからどうなっていくのかを長年の経験から説明してもらえます。
そこでいつも重要になるのが、『本人には本人のペースがあることを親御さんが知ること』です。
私たちはいつだってそれぞれのペースで人生を進めていますが、普通に暮らしているとそのことを忘れてしまいます。
人生のペースはただトントン拍子で進んでいけばいいというものではなく、時には立ち止まってじっくり考えてみる時間も必要なんです。
ニートやフリーターになったのはニートやフリーターになる必要があったから。立ち止まってじっくり考える必要があったから。そして、彼らは彼らのスピードで確実に前へ進んでいることを知ってください。
何が起きてもいつも通りでいる
専門家への相談では、家族がニートやフリーターに対してどういう態度を取っていけばいいかについても教えてもらえます。
本人の社会復帰のために「あれをしてあげよう」「これはどうだろうか」といろいろしたくなりますが、実は重要なのは『いつも通りでいること』なんです。
家とは土台です。家族がいつも通りの生活をしていてくれると、そこはニートやフリーターが安心して帰って来られる土台になります。
親の役割は、いつも通りの穏やかな生活を送りながら、本人が助けを求めてきたときにいつでも柔軟に対応できるように準備しておくことです。
やってみなければわからない心配をあれこれ巡らせても意味がありません。
本人が何かを「やってみたい」と言ってきたなら受け止める。問題があっても「大丈夫だ」と言えるのが、土台である家族の役割だと考えてみてください。